|
大会もいよいよあと2日 ランク決定戦始まる
大会第5日目の10時から、16台のコートを使って一斉に始まった男子シングルス5回戦。
注目の対戦カードは吉田vs仲村、高木和卓vs川崎、岸川vs水野、松平健vs末貞など。
男子シングルス5回戦に出場する選手たちの出身校(高校)を調べてみた。
中国出身の偉関・加山・高志を除いた30人のうち、ダントツのトップは青森山田高・中(在学を含む)の12人。
全日本チャンピオンの吉田や高木和兄弟、松平兄弟など、男子シングルスを席巻している。
2位は仙台育英学園高(小野・水野・岸川)、3位に東山高(大森・中野)、実践学園高(木方・並木)、上宮高(足立卓・谷口)、埼工大深谷高(現在は正智深谷/倉嶋・三原)が並ぶ。
以下、全国の名門校の選手が顔を揃える中、古豪・柳井商業高出身の末貞選手の健闘が光る。
この青森山田高・中の12人に埼工大深谷の2人を加えた14人、ラン決出場者の約半数が吉田安夫先生の門下生ということで、まさに闘将の面目躍如というところか。 |
|
4連覇の夢は準決勝でジ・エンド
|
随所に好ラリー、観客を沸かせた一戦だった
|
●小西/福原組、4連覇の夢破れる…
対戦した高橋/潮崎組との差はわずかだった。
女子ダブルス準決勝、さい先よく1ゲームを先取した小西/福原組だったが、相手ペアの潮崎が絶好調。
“世界に通用する技術”と木村専務理事が評したほどのバック表ソフトの強打で、小西/福原組の両サイドを打ち抜く。
小西/福原組は見応えのあるラリー戦を展開しながら、福原がフォアの打ち合いで力負けする展開になり、次第に窮地に。
それでも第4ゲームは10−7でゲームポイントを握り、最終ゲームへ持ち込むかと思われたが、ここから高橋/潮崎組が好プレーを連発。デュースの競り合いを制して決勝進出を決めた。
|
福原、怒濤の7本連取!
|
●6回戦も厳しい戦い
昨年はベスト16で敗れていた福原愛、今年の6回戦も厳しい戦いだった。
対戦相手の高橋美貴江は、バック面一枚ラバーの強打と、フォアの切れのあるパワードライブが武器。
福原はバック対バックでなかなか優位に立てず、苦しい戦いを強いられた。
ゲームカウント3−3で迎えた最終ゲームも、3−6の劣勢。
ベンチに入った吉田安夫監督がじっと戦況を見つめる中、なんとここから我慢強い攻めでイッキの7本連取。
結局11−7で最終ゲームを制し、明日の準々決勝へ勝ち残った。明日の対戦相手は藤沼(ミキハウス)だ!
|
小西/福原組は小西が好調
|
●小西/福原組は小西が好調
小西/福原(アスモ/グランプリ) 7、7、13 山梨/照井(秀光中等教育)
高橋/潮崎(十六銀行) 7、−8、9、4 梅村/岸田(文化シヤッター/日本生命)
福岡/坂本(日本大) 8、−9、−11、6、4 金沢/藤井(日本生命)
藤沼/樋浦(ミキハウス) −10、8、7、−7、9 原田/藤井(サンリツ)
小西/福原組は小西が好調。バック表ソフトのミート打ちは強烈で、山梨/照井組を左右に大きく振り回し、ストレート勝ち。準決勝には実力派の4組が勝ち上がってきた。
|
愛ちゃん今年もランク入り
|
愛ちゃん今年もランク入り
ランク決定戦でやや苦手とするカット主戦型の越崎と対戦した福原。決定力の上がったスマッシュを武器に越崎のカットを打ち抜き、昨年に続いてベスト16に入った。
次の6回戦ではパワーのある前陣ドライブ型、高橋美貴江(十六銀行)に挑む。
|
スマッシュを武器に越崎のカットを打ち抜き
|
|
さすが社会人、真面目なインタビューが印象的でした
|
●倉嶋/田勢組が男子ダブルスで7年ぶりの2連覇!
男子ダブルス決勝は、昨年に続く2連覇を狙う倉嶋/田勢組と、東京アートの鬼頭/大森組の対決。
見応えのあるラリー戦が展開されたが、大事な場面で集中力が高く、ミスのないプレーをみせた倉嶋/田勢組が、最終セットは中盤で一気に鬼頭/大森組を突き放し、見事2連覇を飾った。
鬼頭選手はこれまでに野平直孝選手、田崎俊雄選手と組んだダブルスでタイトルを獲得していたが、3組目のダブルスでのタイトルはお預けとなった。
決勝後の優勝者インタビューでは、「今年の全日本では、協和発酵にとってひとつ目のタイトル。明日のシングルスも倉嶋さんが残っているので、頑張ってくれると思います(田勢)」と、田勢選手が優等生なコメントで締めくくった。
|
優勝の歓喜に抱き合って喜ぶ高橋/潮崎組
|
●女子ダブルス優勝は高橋美貴江・潮崎由香!
女子ダブルス決勝は高橋/潮崎組と藤沼/樋浦(ミキハウス)の対戦。準決勝で小西/福原組を倒し、闘志満々の高橋/潮崎組に対し、藤沼/樋浦組はやや動きが固く、フォア強打にミスが出る。
結局、ラリー戦を確実に制した高橋/潮崎組が3−0のストレートで歓喜の初優勝を手にした。
優勝者インタビューで、準決勝の小西/福原組に勝ったことについて聞かれた高橋ペア、「福原さんにはシングルスで負けていたので、リベンジしたいと思っていました(高橋)」と秘めたる闘志を語った。
|
全日本に照準バッチリ、ベテラン松下が準決勝へ
|
自己新記録のベスト4入り、坂本
|
●男子シングルス準々決勝
吉田(日産自動車) 10、8、9、−6、6 大森(東京アート)
倉嶋(協和発酵) 6、4、4、7 三原(日産自動車)
松下(グランプリ) 10、7、6、3 水谷(青森山田高)
坂本(青森大) 6、−6、6、3、7 渡辺(シチズン時計)
チャンピオン吉田は中陣からパワードライブで盛り返し、大森の両ハンドドライブを圧倒。
倉嶋は埼工大深谷高の同期、三原を完封した。注目の水谷vs松下の試合は、水谷が松下の切れたカットを打ち抜けず、ワンサイドゲームで敗れた。
坂本はフォアストレートへのドライブをうまく使い、バックドライブもよく決まって渡辺を退けた。ベスト4には社会人選手が三人、高校生に押され気味だったが、さすがの底力だ。
明日の準決勝は吉田vs倉嶋、松下vs坂本の対戦となった。
|
チャンピオン吉田、勝利の咆哮!
|
見事なツブ高攻略を見せ、佐藤素子、末益を破り準々に進出(左)/ニュー藤沼亜衣、藤井寛子を一蹴(右)
|
昨年9月には全日本選手権の東京都予選で敗れ、その後の二次予選で辛くも本戦進出を果たした佐藤素子。
アスモ退社後は、高島規郎氏(元全日本監督)の指導を受け、復活。
河村(日立化成)との接戦を制し、5回戦では宇土(就実高)にゲームを先取されるも逆転で勝ち、続く6回戦では昨年準優勝の末益(日本生命)に対し、ツブ高への見事な対応と、要所での強打を決め、初の準々進出を決めた。
バック面を表ソフトから裏ソフトに変え、モデルチェンジを計った藤沼亜衣。
決勝に進んだキャリアを持つ藤沼は昨年は初戦で姿を消すなど、低迷していたが、昨年ラバーを変え、速攻ではあっても安定感の増したスタイルとなって生まれ変わった。
6回戦ではやはり2年前に決勝に進んだ実績を持つ藤井寛子に対してストレートで勝つなど、「ニュー藤沼」として表舞台に返り咲いてきた。
|
天才・水谷は初のベスト8入りだ!
|
●男子シングルス6回戦
吉田(日産自動車) 4、6、9、−10、−10、6 松平賢(青森山田高)
大森(東京アート) −8、9、−2、8、13、10 高木和(青森山田高)
倉嶋(協和発酵) 8、9、−7、6、−9、8 横山(青森山田高)
三原(日産自動車) 3、−5、10、9、8 加山(グランプリ)
水谷(青森山田高) 5、−10、5、7、2 岸川(仙台育英学園高)
松下(グランプリ) −7、4、7、6、9 高志(日産自動車)
坂本(青森大) 9、−7、2、9、9 松平健(青森山田中)
渡辺(シチズン時計) −2、−9、8、−4、9、8、2 大矢(青森山田高)
|
昨年は3位の岸川、今年はベスト16でストップ
|
●男子シングルスはベスト8が決定
男子シングルス6回戦、王者・吉田は松平賢の粘りに2ゲームを落としたものの、順当な勝利。
大森vs高木和の本格ドライブマン対決は大森に軍配。ベテラン松下、全日本には強い倉嶋もベスト8入りを決めた。
6回戦最大の注目カードとなった水谷vs岸川の世界ジュニア代表対決。
スケールの大きなラリー戦に会場から大きな拍手が送られたこの試合、水谷が天性のボールタッチを存分に発揮し、ミスのない両ハンドドライブで岸川を下した。
|
社会人の意地、見せたぜ
|
●男子ダブルス準々決勝
倉嶋/田勢(協和発酵) 3、−11、6、−9、10 村守/横山(青森大/青森山田高)
高木和/水谷(青森山田高) 6、5、6 高志/三原(日産自動車)
鬼頭/大森(東京アート) 10、8、6 金氏/大谷(信号器材)
大矢/松平賢(青森山田高) −2、3、7、−9、11 坪口/垣原(青森大)
青森山田の控えダブルス、大矢/松平賢は殊勲のベスト4。
|
中学1年生・石川は敗退
|
●女子シングルス5回戦
平野(ミキハウス) 6、−9、5、10、9 西飯美(健勝苑)
小西(アスモ) 9、6、6、5 石川(ミキハウスJSC)
岸田(日本生命) 6、−6、13、8、5 梶本(早稲田大)
山崎(青山学院大) 6、9、−9、−10、5、8 藤田(サンリツ)
高橋(十六銀行) −9、2、5、8、4 石垣(秀光中等教育)
福原(グランプリ) 8、7、7、9 越崎(中国電力)
藤沼(ミキハウス) 8、−5、9、8、7 福岡(日本大)
藤井(日本生命) 14、10、6、−8、7 松田(朝日大)
金沢(日本生命) 8、−9、8、9、11 脇ノ谷(サンリツ)
島田(東京富士大) −8、−8、9、6、10、−9、8 潮崎(十六銀行)
樋浦(ミキハウス) −7、−10、7、9、5、1 末益薫(淑徳大)
梅村(文化シヤッター) 4、7、6、6 中田(朝日大)
重本(筑波大) 11、9、7、−10、−1、7 吉田(東京キングコング)
西飯由(健勝苑) 6、7、5、7 藤井(サンリツ)
嬉しい初ランクとなったのは山崎と重本。山崎は見事なカット打ちで藤田のカットを攻略。
重本はスーパーシードの今福が棄権したブロックを勝ち上がり、貴重なチャンスをものにした。
ランク決定戦まで勝ち上がった中学2年生の石川佳純は、社会人チャンピオンの小西杏にパワーで圧倒され敗退。
しかし、中学1年生でベスト32に入ったのは立派な成績だ。「(完敗だったから)あまり悔しくはないです。試合前は緊張せずに、思い切ってやろうと思ってました。小西さんはチャンスボールをミスしないし、コース取りもすごくいいです。
これから私も簡単なミスをなくしていきたい。今年は全国中学校大会が一番の目標です(石川)」
|
バルセロナ五輪代表のベテラン仲村は1歩及ばず
|
吉田監督のベンチワークが光る
|
男子シングルス、ランク入りの16人が決定
ランク決定戦で一番最初に終わったのが、大矢vs真田。全日本社会人3位の真田を、ドライブ対ドライブの真っ向勝負で打ち破った大矢が4−0のストレートで勝利。
吉田vs仲村は4−2で吉田。92年バルセロナ五輪代表のベテラン仲村、思い切りのいいカウンター攻撃で吉田に対抗したが、最終ゲームは大きく離されて万事休す。
高木和卓、水谷のランク入りはもはや順当かもしれないが、松平賢二が殊勲のランク入りを果たした。
●男子シングルス5回戦
吉田(日産自動車) 6、5、−7、5、−9、3 仲村(グランプリ)
松平賢(青森山田高) 10、7、7、−9、−12、−10、9 下山(早稲田大)
大森(東京アート) 8、3、−10、−8、7、8 並木(シチズン時計)
高木和卓(青森山田高) 10、5、10、8 川崎(協和発酵)
倉嶋(協和発酵) 1、8、10、−7、−11、7 足立(明治大)
横山(青森山田高) −4、10、−5、9、−9、6、10 谷口(シチズン時計)
三原(日産自動車) 16、9、−7、9、−4、8 小野(明治大)
加山(グランプリ) 5、−7、7、8、−3、9 中野(早稲田大)
岸川(仙台育英学園高) 9、9、14、8 水野(明治大)
水谷(青森山田高) 6、−8、5、−11、7、7 田勢(協和発酵)
松下(グランプリ) 5、−6、9、7、9 高木和健(青森大)
高志(日産自動車) 9、7、4、9 河原(シチズン時計)
松平健(青森山田中) 6、−5、9、−6、−8、8、5 末貞(東京アート)
坂本(青森大) 4、3、12、−9、13 木方(協和発酵)
大矢(青森山田高) 6、9、7、7 真田(協和発酵)
渡辺(シチズン時計) −4、7、−9、7、3、6 偉関(TEAM JUIC)
男子シングルスのランカー16人が決定!
高木和卓・水谷・大矢・横山のヤマダカルテットが全員ランク入り。
青森山田高校はまさにドリームチームだ。
|
ページTOP |